免疫とは? ~Part1~

免疫

Q . 免疫ってなに?

A . 免疫とは「疫(えき)から免れる(まぬがれる)」、すなわち「伝染病」などからのがれるということを意味する言葉です。たとえば、一度「はしか」などの伝染病にかかったほとんどの人はその伝染病にかからなくなります。これを「免疫ができた」と言います。この免疫システムは、体内に侵入した細菌やウイルスなどを異物(自分以外のもの)として攻撃することで、自分の身体を正常に保つという大切な働きをします。

自分の身を守るように働く免疫は、自然に備わった防御システムなのじゃ。免疫は、抗体が主役になる免疫と、免疫を担う細胞が中心になる免疫の2つに分かれていて、抗体が主役になる免疫は液性免疫、免疫を担う細胞や物質が中心になる免疫は細胞性免疫と言われておるのじゃ。

Q . 例えば、風邪を引いた時にはどんな免疫反応が起こるの?

A . 風邪などのウイルスが体内に侵入すると、まずマクロファージが現場に駆けつけてウイルスの情報を集めます。

マクロファージは、そのウイルスの情報を免疫の“司令官”であるT細胞に伝えます。 情報を受け取った“司令官”のT細胞は、“殺し屋”のキラーT細胞にウイルスに感染した細胞を探して破壊するように命令します。次に、“司令官”のT細胞は、B細胞に抗体を作るように指令を出します。 指令を受けたB細胞は、そのウイルスに対抗する大量の抗体を作り出します。この抗体が補体と協力して、ウイルスに感染した細胞を破壊します。このようにさまざまな免疫を担う細胞が協力して、ウイルスに感染した細胞を攻撃し、やがて風邪が治ります。細菌の場合は、ウイルスとは異なり、細菌そのものが異物と認識され、攻撃されます。免疫のシステムは、いろいろな免疫を担う細胞が協力して成り立っておる。その中で抗体の役割はとても重要なのじゃよ。

Q . 免疫(めんえき)のしくみとは?

A . 免疫は、からだの外部からの侵入者(しんにゅうしゃ)である抗原(こうげん)〈細菌(さいきん)やウイルスなど〉に対して免疫細胞(さいぼう)などが「自分」と「自分でないもの」を識別(しきべつ)して、からだを守るしくみをいいます。免疫学では、「自分=自己(じこ)」、「自分でないもの=非自己(ひじこ)」と呼んでいます。